更新:2008年8月16日
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7ケタ郵便番号

●初出:月刊『潮』1997年10月号「市民講座」●執筆:坂本 衛

Question一九九八年に、郵便番号が七けたになるそうですね。
その理由やメリットについて知りたいのですが。

Answer現在の郵便番号は、記入する欄が五けたあり、最初の三けた、または五けた全部が使われています。

 最初の二つの数字は都道府県や市、区などの地域を表し、三番目の数字はその地区の中心となる郵便局の番号を表します。残りの二つの番号は、さらに郵便物が中継して送られる先の郵便局、あるいは私書箱などを表しています。

 この郵便番号制度は、郵便事業の近代化の大きな柱として、一九六八年七月に導入されました。それまでは、郵便物をいったん行政区(市区町村)ごとに区分けしてその地域の中心となる郵便局に送り、そこでさらに配達局ごとに区分けするという二度手間をかけていましたが、郵便番号によって、簡単に配達局ごとの区分けができるようになったのです。その結果、郵便は早く届くようになりました。

 また、数字を機械で読み取って自動的に区分けするので、人手をおさえ、郵便コストの上昇をある程度おさえることができたのです。

 ところが、郵政省はさらに事業の効率化を進めるため、郵便番号を全国一律七けたにするという方針を打ち出しました。実施は制度の導入から三〇年の一九九八年二月二日からとされ、新しい郵便番号簿の配布が進んでいます。

配達順まで機械化

Question七けたの番号にする、
いちばんの理由は何ですか?

Answer現在の郵便番号によって、郵便物は集配郵便局まで届くわけです(主な郵便局では、郵便番号だけでなく宛先の機械的な読み取りも、すでに併用されています)。

 しかし、そこから先は郵便物に書かれている宛先の住所を読み、配達する地域や道順ごとに区分けしなければなりません。いまは、この並び換え作業を毎日人手をかけてやっています。この部分を機械化するというのが、七けた番号導入の最大のねらいなのです。

 どのようにするかというと、原則として現在の三けたまたは五けたの数字はそのままに、町や大字や大口利用者(企業や役所、巨大ビルなど)ごとに、四けたまたは二けたの数字を割り当てます。たとえば、東京都千代田区の霞ヶ関ビルは、これまでは郵便番号100でしたが、今後は階ごとに100−6001〜100−6036(地階と階不明は100−6090)となります。

 そして、郵便物を引き受けた集配郵便局などで、七けたの番号と宛先を機械的に読み取り、これをバーコード化して郵便物に打ち直し、区分けします。郵便物を受け取った配達局では、バーコードを機械的に読み取り、配達しやすい順番に並べ換えます。

 郵便局で打ち直すバーコードは、機械が宛先の住居表示まで正しく読んだ場合は、住所全体(郵便番号と△丁目△番△号)を表します。番地が崩し字で書いてあって読み取れなくても、七けたの郵便番号が正確に書いてあれば、町や大字やビルの階まで機械的に区分けできるわけです。また、大口利用者が最初からバーコードを印刷して郵便物を差し出す場合(ある数以上などの条件があります)、料金割引が適用されます。

番地だけでも届く?

Questionすると、宛先は七けたの郵便番号と番地だけ
正確に書けば、届くのですか?

Answer理論的にはそうです。新郵便番号簿「ぽすたるガイド」には「新郵便番号を記載した場合には、住所の市区町村名(行政区名)の記載がなくともお届けします」と明記してあります。 しかし、機械は必ず間違えることがありますから、町村名や字名から書いたほうが無難でしょう。「ぽすたるガイド」にも、「できるだけ市区町村名(行政区名)から記載していただくことをお勧めします」と書いてあります。

Questionでも、住所を町村名や字名から書けば、
現在の三けたや五けたの郵便番号でも、正確に届くのではありませんか?

Answerその通りです。冒頭に説明したように、郵便物は現在の郵便番号だけで配達局に届くのであって、そこから先に同じ町村名があって困るということは、あまりありませんから。

 ですから、郵便の利用者にとっては、書き込む郵便番号のけた数が増えるだけの面倒な話と思われるかもしれませんね。地方都市に何軒も親戚がいて、みな共通の郵便番号だったのが、今後は六けた目や七けた目が少しずつ違ったりします。学校の先生が子供に年賀状を出すときも、一つの郵便番号でよかったのが、住む町ごとに変わってきます。

 このほか利用者には、これまで繰り返し使っていた封筒や名刺の版下(印刷原稿)を作り直す必要がある、コンピュータやワープロの住所録を作り直す必要がある、といったデメリットも生じます。

利用者のメリットは?

Questionでは、郵便を利用する国民の
メリットは何ですか?

Answer郵政省の試算によると、新しい読み取り機を一一〇〇局に一五〇〇台設置すれば、一〇年間で八〇〇〇人の労働力と、約二〇〇〇億円のコスト削減になるといいます。

 もっとも、一年に二〇〇億円が浮いたとしても、年間に流通する郵便は二四〇億通といった数。一通あたり一円未満ですから、料金値下げにはつながりません。それでも、郵便事業全体として人件費をおさえ、人件費上昇による値上げを先伸ばしにする効果はあります。これが利用者に対するメリットです。

 郵政省は、すでに新郵便番号簿や新しい郵便番号を知らせる紙を配り始めています。郵便番号簿には、郵便貯金や簡易保険のPRなどが色刷りで載っていますが、そんなスペースがあるなら利用者に対するメリットを説明すべきだと思います。

 ただ「来年から七けたになるのでよろしく」という言い方では、行政改革の方針通り郵便事業の民営化を進めて、合理化や値下げはそちらに期待したくなりますね。

次の年賀状で準備を

Question新しい郵便番号には、どんな準備を
しておけばよいですか?

Answer九七年の暮れに売り出される年賀状は、宛先の郵便番号欄が五けたで、差出人の郵便番号欄が七けたという変則的なものになります。九八年からは、どちらも七けたする予定です。

 七けたの番号は、この年賀状のやりとりが終わった二月二日からですから、一九九七年の暮れに出す年賀状には、自分の住所の七けたの番号を書くことを忘れないようにしたいものです。そして、受け取った年賀状の郵便番号を、住所録に書き写すなりすれば、ひとまず準備完了。

 あとは、新郵便番号簿の「新郵便番号とあて名の正しい書き方のご案内」という項目を一通り読んでおくとよいでしょう。

 なお、パソコンやワープロのデータベースを住所録として使いラベル印刷するという人は、郵便番号を書き込もうにも、欄が五けたしかないということが起こります。そういう場合は、住所の頭に七けたの数字を書いてほしいと、郵便局はいいます。七けたの郵便番号に対応したワープロや、パソコンソフトも発売されています。買い替えの予定がある人は、そちらを買ったほうがよいでしょうが、郵便番号のためだけに買い替えるというのは馬鹿げています。

Question念のため聞きますけど、七けたの郵便番号を書き忘れても、
住所が正しく書いてあれば届きますよね?

Answerもちろん届きます。ただし、機械による高速処理ができませんから、到着する日数が少し遅れるということはあるかもしれません。

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